第16話 依頼
ネコノテ商会との契約が成立し、牛乳と牛糞燃料の定期買取が決まった。
これで旅の間の収入源も確保できた。しかし、問題はまだ残っていた。
旅に出ている間、ロッジ牧場を誰が守るのか。
牛たちの世話はロッジ夫妻でできるが、魔物から守る警備は専門の冒険者が必要だ。
以前、デンダーら冒険者に頼もうとしたが、金額ではないと断られた経緯があった。
今回は違う。正式に冒険者ギルドへ依頼を出すことにした。
依頼内容は「クバヨラン村、ロッジ牧場の2週間〜1ヶ月の牧場警備」
そして次の内容を追記した「人を探しにどうしてもイストリア大陸の中心都市に向かうわなければいけない」
「この間、牧場の牛乳の定期供給はネコノテ商会が行う」「帰りの積み荷で砂糖をこの街に持ち帰る」
「通常の警備報酬に加えて、砂糖を気持ちばかり渡す」これなら冒険者たちも興味を持つはずだ。
依頼を掲示板に貼り出した翌日、KENZOが様子を聞きに行った。
ギルドの掲示板を見て、依頼内容をデンダーらが確認したという。
デンダーは仲間の冒険者たちに声をかけ、定期巡回のスケジュールを組んでくれた。
冬の祭りに向けて砂糖が手に入るなら、町の人々も喜ぶだろうと彼は言った。
デンダーの手配でリヤカーも確保できた。ロッジ牧場に戻ったKENZOは皆へ報告し、意やる気も上がっていた。
「配達員の本領発揮だな!」と意気込むKENZO。
しかし、YUKIは地図を広げながら不安そうな表情を浮かべていた。
イストリア大陸の中心、帝都トリアスティへ向かうには、大きな砂漠「灼熱のヴェルダ砂漠」を越えなければならない。
昼は灼熱、夜は肌寒いくらいで寒暖差が大きいようだ。
準備は万全に進んめていくが、砂漠越えは簡単ではない。
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リヤカーの力学 - Physics of Hand Cart
リヤカーの構造:
• 二輪または多輪の人力運搬車両
• 重心位置と車軸の関係が重要:重心が車軸より前にあると安定する
• 荷台の高さと積載重量のバランスで転倒リスクが変わる
牽引力の計算:
• 必要な牽引力:F = μ(W + L)
• μ:転がり抵抗係数、W:車両重量、L:積載重量
• 舗装路:μ ≈ 0.01-0.02(非常に小さい抵抗)
• 砂地:μ ≈ 0.15-0.30(15倍以上の抵抗!)
人間の出力限界:
• 人間の持続出力:約75W(ワット)
• 効率を考慮すると、平地で100-150kg程度が人力の限界
• 砂地では抵抗が増大し、実質的な積載量は大幅に減少
• 長距離運搬では疲労も考慮する必要がある
街道は舗装されているとはいえ、砂漠でのリヤカー運搬は想像以上に過酷だ。人力だけでは限界がある。牛や馬などの動物の力を借りるのが現実的な選択だ!