第15話 ないものと足りないもの
リンネに教えてもらったネコノテ商会へ向かうことにした。
ドゥーンの街の中心部、賑やかな商店街の一角にその商会はあった。
看板には大きく「ネコノテ商会」と書かれ、様々な商品が店先に並んでいる。
食材、日用品、工具、布地...とにかく何でも扱っているようだ。
「ここがネコノテ商会か。なんだか忙しそうだな」KENZOがつぶやいた。
店の中からは、複数の店員が忙しく動き回る様子が見える。
「仕方ないわ。ここで交渉しないと、旅に出られないもの」YUKIが覚悟を決めた表情で店に入っていった。
交渉は難航していた。ニャンゴは忙しそうに帳簿をめくりながら、あまり興味を示さない。
KENZOは焦りを感じ始めていた。このままでは旅に出られない。
商談が成立し、KENZOたちは安堵のため息をついた。
牛糞燃料の定期買取だけでなく、その際に牛乳も少量ずつ買い取ってもらえることになった。
ロッジ夫妻も喜ぶだろう。これで旅に出る間の心配が一つ減った。
「ありがとうございました、ニャンゴさん」エフィアが丁寧に頭を下げた。
ニャンゴも満足そうに頷いた。「こっちこそ、良い取引ができたニャ。燃料不足は深刻だったんだニャ」
YUKIが何か思いついたように口を開いた。
「ニャンゴさん、一つ相談があるんですけど...」
ネコノテ商会を後にした三人は、今後の計画を話し合いながら歩いていた。
「砂糖か...確かに冬に向けて貴重な物資だな」KENZOが考え込んだ。
「保存が効くし、栄養価も高い。寒い季節には重要なエネルギー源になるわ」YUKIが解説した。
エフィアも同意した。「砂糖はお祭りなど特別なときにいただくわ、子どもも大人も喜ぶわ」
KENZOが拳を握った。やるべきことが少しずつ見えてきた。
「おーし!配達員の血が騒ぐぜ、砂糖運んで喜ばれるとか!」
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サトウダイコンと砂糖の保存性 - Sugar Beet & Preservation
サトウダイコン(テンサイ):
• 正式名称:Beta vulgaris subsp. vulgaris(ビート、ビートルート)
• 寒冷地でも栽培可能な砂糖の原料作物
• サトウキビ(C₁₂H₂₂O₁₁を含む熱帯作物)と異なり、温帯・冷帯で栽培される
• 根に約15-20%のスクロース(ショ糖)を含む
• ヨーロッパや北海道など寒冷地での主要な砂糖生産源
砂糖の驚異的な保存性:
• 砂糖には実質的に「賞味期限がない」
• 理由:高い浸透圧により微生物が生存できない
• 浸透圧の原理:π = iCRT(π:浸透圧、C:モル濃度、R:気体定数、T:絶対温度)
• 微生物の細胞内水分が奪われ、増殖不可能になる
• 適切に保管すれば数十年、数百年でも品質が保たれる
冬の保存食として砂糖は理想的。この世界でも貴重な物資として重宝されるのは当然だ!